こんにちは、ソムリエのいちごです。

・イタリアワインのボトルに書いてある、DOCGってどういう意味?
・スーパータスカンってなんだろう?
スーパーやカルディなどでワインを選ぶとき、
「ラベルに書かれたDOCG・DOCって何?」「どれを選べば間違いないの?」
と迷った経験はありませんか?
実は、この“格付け”と“ぶどう品種”の意味を少し知っておくだけで、
スーパーでも外れない1本を選べるようになります。
この記事では、イタリアワインの格付け(DOCG・DOC・IGT)と
主要ぶどう品種の特徴と味わいをわかりやすく紹介します。
🍇 読み終えたころには、ラベルを見ただけで
「今日はこれにしよう!」と自信を持って選べるようになりますよ。


社会人7年目のときに「田崎真也ワインサロン」でソムリエ対策講座を受講。
2002年 ソムリエ資格取得
2005年 シニアソムリエ資格取得
現在アカデミー・デュ・ヴァンの受講生。知識をブラッシュアップしつつ、ワインを学びたい人向けにこのサイトを運営。
イタリアワインのラベルに書かれたDOCG・DOC・IGTって何?


- イタリアの概要
- ・北緯37~47度
・全ての州(20州)でワインを生産している
・生産量がここのところ世界第1位(白:46.7%、赤:53.3%)
イタリアワインのボトルには、品質の“格付け”が書かれています。
ざっくり言うと、「どれだけ厳しいルールで造られているか」の目安です。
格付け | 読み方 | 意味 | 特徴 |
---|---|---|---|
DOCG | ディー・オー・シー・ジー | 最も厳格な基準で造られた特別なワイン | 特別な日におすすめ |
DOC | ディー・オー・シー | 伝統的な産地・製法を守る安心の品質 | 普段の食事にぴったり |
IGT | アイ・ジー・ティー | 自由な発想で造られたワイン | 個性派・掘り出し物が多い |
そもそも格付けってなんのため?
イタリアには数えきれないほどのワインがあり、品質や産地もバラバラ。
そこで「どんな場所で、どんなブドウを使って、どんな製法で作られたか」を分かりやすく示すために導入されたのが格付け制度です。
日本でいう「特別栽培米」や「地元産の〇〇」みたいに、そのワインがどれだけ伝統的で信頼できるかを保証してくれる、品質のお墨付きのようなものです。
スーパーで見かける「これぞDOCG!」代表ワイン3選
🥇 DOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita)


「統制・保証つき原産地呼称ワイン」
イタリアワインの中で最も高いランクの格付け。
国による厳しい審査を通過した、品質保証付きのワインです。
DOCGワインはイタリアの伝統と誇りを感じる1本。
スーパーでも入手しやすい代表的なものを紹介します。
ワイン名 | 主なぶどう品種 | 味わいの特徴 | おすすめシーン |
---|---|---|---|
キャンティ・クラシコ(トスカーナ) | サンジョヴェーゼ | ほどよい酸味とチェリーの香り。親しみやすい | トマトパスタ、ピザ |
バローロ(ピエモンテ) | ネッビオーロ | 力強く奥深い香り。熟成タイプ | 牛肉料理、特別な夜に |
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(トスカーナ) | サンジョヴェーゼ・グロッソ | 濃厚でまろやか。長期熟成向き | 記念日ディナーに |
🍷 スーパーではキャンティが最も見つけやすく、
「DOCG」と書かれたラベルを選べば品質は安心です。
普段使いにぴったり!手頃で美味しいDOCワイン
🥈 DOC(Denominazione di Origine Controllata)
「統制原産地呼称ワイン」
DOCGの一つ下のランクですが、こちらも一定の品質基準や伝統に基づいたワインです。
DOCワインの中から長年安定した品質を保ったものが、昇格してDOCGになることもあります。
現在DOCは330以上の銘柄があります。



わたしがソムリエ資格を取った2002年(約20年前)はDOCは100銘柄くらいでした。いまは3倍に増えてるから、全部の銘柄を覚えるのは至難の業!だいぶ増えました。
DOCワインはコスパ抜群で、食卓に馴染む味わいが魅力。
ワイン名 | 主なぶどう品種 | 味わいの特徴 |
---|---|---|
ソアーヴェ(ヴェネト) | ガルガーネガ(白) | 柔らかく軽やか。和食にも◎ |
バルベーラ・ダスティ(ピエモンテ) | バルベーラ(赤) | フルーティーで飲みやすい |
ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ(トスカーナ) | ヴェルナッチャ(白) | 爽やかでほのかな苦味が心地よい |
✅ スーパーで探すときは「DOC」の表記+地域名をチェック。
「Soave DOC」「Barbera d’Asti DOC」などが目印です。
掘り出し物が多いIGTワインとスーパータスカン
🥉 IGT(Indicazione Geografica Tipica)
「地理的表示付きワイン」
IGTは、自由な発想で造られるカテゴリー。
中には“格付けを超えた高品質ワイン”も!
- スーパータスカン(例:ティニャネロ、サッシカイア)
→ トスカーナ生まれ。カベルネ・ソーヴィニヨンなど国際品種を使った力強い味。 - スーパーでは同系統の「Toscana IGT」表記のワインが狙い目です。
💡 IGTは“新しい味を試したいとき”にぴったり。
フルーティーで飲みやすいものが多く、初心者にもおすすめです。
なぜスーパータスカンはDOCGに入らないのか?その真実


DOCにも入らない“型破り”な高級ワイン!?
「スーパータスカン(Super Tuscan)」は、DOCやDOCGの枠組みにとらわれず、
自由なスタイルで造られた高品質な赤ワインのこと。1980年代に登場し、世界的に大ヒットしました。
例えば、フランスのブドウ品種(カベルネ・ソーヴィニヨンなど)を使ったり、
木樽で熟成させたりと、伝統よりも味重視の革新的なアプローチが特徴です。
なぜ人気?
一般的には格付けが高いDOCGやDOCのほうが良いワイン=美味しいワインというように思いがちですが
スーパータスカンに関しては例外で、その品質の高さから「これはすごい!」と話題に。
IGTのような低い格付けでも値段も高額で美味しいワイン、
それがスーパータスカンと呼ばれるワインです。
結果として格付けより中身が大事!という価値観が広がるきっかけとなりました。
代表的なスーパータスカン:
- サッシカイア(Sassicaia)
- ティニャネロ(Tignanello)
サッシカイア
フランスメドックの5大シャトーのひとつであるシャトー•ラフィット・ロートシルトからカベルネ・ソーヴィニヨンの苗木をもらい、トスカーナで造られたワインが「サッシカイア」です。
サッシカイアはティレニア海に近いボルゲリというところでつくられていますがボルゲリの地がカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に適していたため、高品質なワインの生産に至ったのですね!
ティニャネッロ
イタリアワイン界の名門であるアンティノリ家がキャンティ地区で手がけたワインが「ティニャネッロ」です。
イタリアの土着品種であるサンジョベーゼに外来品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドして造られました。
ティニャネッロはキャンティの地で作っていますが、規定外なのでキャンティとは名乗れませんが高い評価を受けスーパータスカンとして有名になりました。
味の決め手になる!イタリアの主要ぶどう品種6選


この記事では代表的なイタリアのぶどう品種を白2つ、赤4つご紹介します。
品種の特徴を知って自分の好みに合ったワインを選んでみましょう。
格付けと一緒に覚えておくと、味のイメージがつかみやすくなります。
品種 | 色 | 味の特徴 | よく使われるワイン |
---|---|---|---|
サンジョヴェーゼ | 赤 | 酸味と渋みのバランス◎。明るい果実味 | キャンティ、ブルネッロ |
ネッビオーロ | 赤 | 複雑で奥行きのある味。熟成向き | バローロ、バルバレスコ |
バルベーラ | 赤 | 果実味たっぷり。軽快で親しみやすい | バルベーラ・ダスティ |
モンテプルチアーノ | 赤 | 柔らかく飲みやすい | モンテプルチアーノ・ダブルッツォ |
ピノ・グリージョ | 白 | 爽やかで軽やか。冷やして美味しい | 北イタリアのIGTワインなど |
ガルガーネガ | 白 | フレッシュで優しい味わい | ソアーヴェ |
✅ ラベルで「Sangiovese」「Nebbiolo」など品種名があれば、それが味のヒント。
サンジョベーゼ(赤)
イタリアでもっとも生産量の多いぶどう品種です。
トスカーナ州のDOCGであるキャンティはサンジョベーゼ主体のワインです。




ネッビオーロ(赤)
有名なDOCGの銘柄であるバローロ、バルバレスコにはこのネッビオーロが使われています。
長期熟成に向いている品種です。




シーン別おすすめ選び方(食事とのペアリング例つき)
シーン | おすすめ格付け | 合わせたい料理 | 代表ワイン |
---|---|---|---|
家での普段の夕食 | DOC | パスタ、ハンバーグ | ソアーヴェ、バルベーラ |
友人とのホームパーティ | IGT | チーズ、ピザ | トスカーナIGT(国際品種入り) |
特別なディナー | DOCG | ステーキ、ラム肉 | ブルネッロ、キャンティ・クラシコ |
ワイン初心者同士の飲み会 | IGTまたはDOC | 前菜、サラダ | ピノ・グリージョ、モンテプルチアーノ |
🍽 ワインは「格付け」よりも「シーン×味」で選ぶと失敗しにくいです。
まとめ|“格付け+ぶどう品種”で迷わず選べるようになる


イタリアワインについて理解は少し深まりましたか?
- DOCG=最高品質。特別な日におすすめ
- DOC=安心して選べる定番ライン
- IGT=自由でユニーク、掘り出し物を探す楽しみも
- スーパータスカン=格付けを超えた実力派
そして、味の方向性はぶどう品種で決まります。
「赤ならサンジョヴェーゼ or ネッビオーロ」「白ならピノ・グリージョ or ガルガーネガ」
この4つを覚えておくだけで、スーパーでも自信を持って選べます。
🍷 次にワイン売り場へ行ったら、ぜひラベルを見てみてください。
「DOCG」「DOC」「IGT」… その一言が、あなたの“理想の1本”へのヒントです。
この記事を読んで本格的に学んでみたい方にはわたしが通っているワインスクールアカデミーデュバンではイタリアワイン専門の講座もあります。



テイスティングにサッシカイアが出てきたこともありますよ。
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▶ フランスワインの格付けとブドウ品種、これだけは押さえたい!
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