フランスワインの格付けをわかりやすく解説|ボルドーとブルゴーニュ

フランスワインの格付けは、ざっくり言うと「国全体のルール」と「産地ごとのランク」の2階建てになっています。まず国全体では、上からAOC(原産地呼称統制ワイン)→ IGP(地理的表示保護ワイン)→ VSIG(地理的表示のないワイン)の3段階です。

そのうえで、有名産地にはそれぞれ独自の格付けがあります。ボルドーはシャトー(ワイナリー)単位で第1級〜第5級、ブルゴーニュは畑単位でグラン・クリュ(特級畑)〜地方名の4段階、シャンパーニュは村単位でランク分けされます。この「何を単位に格付けしているか」の違いさえつかめば、ラベルはぐっと読みやすくなります。

この記事では、フランスワインの格付けの全体像を一覧表で整理したうえで、ボルドー・ブルゴーニュ・シャンパーニュそれぞれの等級とラベルの見分け方、予算に合わせた選び方まで、ワイン初心者の方にもわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

社会人7年目のときに「田崎真也ワインサロン」でソムリエ対策講座を受講。

2002年 ソムリエ資格取得
2005年 シニアソムリエ資格取得

現在アカデミー・デュ・ヴァンの受講生。知識をブラッシュアップしつつ、ワインを学びたい人向けにこのサイトを運営。

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まずは全体像です。産地によって「何を」格付けしているかが異なります。

産地格付けの単位等級(上から)ラベルの目印
フランス全体産地の呼称AOC → IGP → VSIGAppellation ○○ Contrôlée など
ボルドー(メドック)シャトー(生産者)第1級 → 第5級Grand Cru Classé
ブルゴーニュ畑特級畑 → 1級畑 → 村名 → 地方名Grand Cru/Premier Cru
シャンパーニュ村特級村(17村)→ 1級村(44村)Grand Cru/Premier Cru

ワインの格付けとは?必要とされる理由

格付け(等級)とは、ワインの品質や価値をランク分けしたものです。

フランスでは長い歴史の中で、特定の産地や製法で作られたワインが高い評価を受けてきました。

格付けがあることで、初めて見るワインでも品質の目安がわかり、選びやすくなります。

フランスワインの3つのカテゴリー(AOC・IGP・VSIG)

フランスワインは現在、以下の3つのカテゴリーに分類されています。

AOC(原産地呼称統制ワイン)
最も厳格な規制のもとで生産されるワインです。生産地域、使用品種、最低アルコール度数、栽培法、剪定法などが細かく定められており、高品質なワインが多いカテゴリーです。1935年に制定された歴史ある制度で、フランスワインの品質を支えてきました。

IGP(地理的表示保護ワイン)
地域や使用品種に関する規制はありますが、AOCよりもルールが緩やかです。個性的で価格も手頃なワインが多く見られます。

VSIG(地理的表示のないワイン)
いわゆるテーブルワインで、フランス国内で生産されたワインという意味です。日常的に楽しむカジュアルなワインが中心です。

フランスワインの主要産地

10のワインの産地

フランスには北緯42度から51度にかけて10の主要ワイン産地が分布しており、ワイン生産量は世界第3位、消費量は世界第2位を誇ります。各産地で異なる気候や土壌を活かした多様なワインが生まれています。

ボルドーワインの格付け|1855年の等級と五大シャトー

シャトー・マルゴー

1855年のパリ万博で誕生した格付け

ボルドー地方では1855年、パリ万国博覧会に合わせて格付けが実施されました。この格付けは現在も続いており、世界中のワイン愛好家から注目されています。格付けはワイナリー(シャトー)単位で行われ、第1級から第5級までランク分けされています。

第1級「五大シャトー」の銘柄

格付けの頂点に位置するのが「五大シャトー」と呼ばれる5つの第1級シャトーです。

メドック1級5つの銘柄「五大シャトー」
  • シャトー・マルゴー
  • シャトー・ラトゥール
  • シャトー・ラフィット・ロートシルト
  • シャトー・ムートン・ロートシルト
  • シャトー・オー・ブリオン
いちご

これらのワインは品質、価格ともに最高峰で、世界中のワイン愛好家が一度は飲んでみたいと憧れる存在です。

第2級から第5級まで

五大シャトー以外にも、第2級から第5級まで60以上のシャトーが格付けされており、それぞれ高品質なワインを生産しています。ラベルに「Grand Cru Classé(グラン・クリュ・クラッセ)」と書かれていれば、格付けシャトーの証です。

ブルゴーニュワインの格付け|畑単位の4段階

ボルドーとの違いは「畑が主役」

ブルゴーニュの格付けは、シャトーではなく「畑」単位で評価されるのが大きな特徴です。同じ村でも畑によって評価が異なり、それがワインの価格や品質に反映されます。

グラン・クリュから地方名まで4段階のピラミッド

ブルゴーニュの格付けは以下の4段階に分かれています。

グラン・クリュ(特級畑)
ブルゴーニュ全体のわずか約1%しかない最高峰の畑です。ロマネ・コンティなど、世界的に有名なワインがこのランクに属します。

プルミエ・クリュ(第1級畑)
全体の約10%を占める優れた畑です。村名とともに畑名がラベルに表記されます。

村名ワイン
特定の村で生産されたワインで、村の名前がラベルに記載されています。シャンボール・ミュジニーやヴォーヌ・ロマネなどが有名です。

地方名ワイン
ブルゴーニュという広い地域名が使われるワインで、日常的に楽しめる価格帯のものが多くあります。

ラベルで畑の格を見分ける

ブルゴーニュワインのラベルには、畑のランクや名前がしっかり表記されています。「Grand Cru」「Premier Cru」といった表記を見れば、そのワインの格がわかります。表記がなく村の名前だけなら村名ワイン、「Bourgogne」とだけあれば地方名ワインです。

シャンパーニュの格付け|村ごとのランク

村単位で決まる「エシェル・デ・クリュ」

シャンパーニュ地方では、ブドウを栽培する村ごとにランクが付けられています。これは「エシェル・デ・クリュ」と呼ばれる独自の格付け制度です。

グラン・クリュとプルミエ・クリュ

シャンパーニュの格付けは以下のように分類されます。

グラン・クリュ(特級村)
最高品質のブドウが育つとされる村で、全部で17村が指定されています。

プルミエ・クリュ(第1級村)
グラン・クリュに次ぐ高品質な村で、44村が指定されています。

ラベルに「Grand Cru」や「Premier Cru」と表記されていれば、高品質なブドウから作られたシャンパーニュだとわかります。

ラベルの読み方|格付けのヒントを見つけよう

ボルドーのラベル

ボルドーワインのラベルには「Château(シャトー)」という文字とともにワイナリー名が記載されています。

格付けワインには「Grand Cru Classé」という表記があり、これが格付けの証です。

ブルゴーニュのラベル

ブルゴーニュでは村名や畑名が重要です。「Premier Cru」「Grand Cru」といった表記があれば、それだけ高い評価を受けた畑から生まれたワインだとわかります。

シャンパーニュのラベル

シャンパーニュには「Grand Cru」「Premier Cru」という村の格付けのほか、「RM」「NM」といった生産者の種類を示す表記もあります。これらを読み取ることで、そのシャンパーニュの特徴がつかめます。

格付けを活かしたフランスワインの選び方

シーン別おすすめの選び方

特別な日に
五大シャトーやグラン・クリュなど、最高峰のワインを選ぶと特別感が増します。

ちょっとした贅沢に
プルミエ・クリュや村名ワインは、品質と価格のバランスが良く、日常からワンランク上の体験ができます。

デイリーワインに
IGPや地方名ワインは手頃な価格で気軽に楽しめます。

格付けはあくまで目安

格付けは品質の目安にはなりますが、すべてではありません。自分の好みや料理との相性も大切です。

格付けを参考にしながら、いろいろなワインを試して自分のお気に入りを見つけることが、ワインを楽しむ最良の方法です。

フランスワインの格付けに関するよくある質問

フランスワインの格付けで一番上のランクは?

国全体のカテゴリーでは、最も規制が厳しいAOC(原産地呼称統制ワイン)が最上位です。そのうえで産地ごとの格付けがあり、ボルドー(メドック)では第1級の五大シャトー、ブルゴーニュではグラン・クリュ(特級畑)、シャンパーニュではグラン・クリュの村が頂点にあたります。

ボルドーとブルゴーニュの格付けはどこが違う?

評価する対象が違います。ボルドーはシャトー(造り手)単位で第1級〜第5級に分けられ、ブルゴーニュは畑単位でグラン・クリュ・プルミエ・クリュ・村名・地方名の4段階に分けられます。ブルゴーニュは同じ村でも畑が違えばランクが変わる、と覚えておくとわかりやすいです。

「Grand Cru」と書いてあれば必ず高級ワイン?

高い評価を受けた畑や村のブドウを使っている印ではありますが、意味する内容は産地ごとに異なります。ブルゴーニュでは特級畑、シャンパーニュでは特級村、ボルドーでは「Grand Cru Classé」が格付けシャトーの証です。同じ言葉でも指しているものが違う点に注意してください。

格付けのないワインは品質が低いの?

そうとは限りません。IGPや地方名ワインにも、造り手の個性が光るおいしいワインがたくさんあります。格付けは産地や造り方のルールにもとづく目安なので、まずは手頃な価格帯から飲み比べて、自分の好みの味わいを探してみてください。

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この記事を書いた人

J.S.A.認定シニアソムリエ。ワインについてもっと学ぶこと、旅行、ドライブに情熱を注ぎ、世界が提供するものを探求するのが大好きです。ワインは初心者にとって敷居が高いものだと理解しているので、ワインを楽しみ始めたばかりの人たちのために、わかりやすいワイン情報を伝えたいと思います。一緒にグラスを傾けて、ワインの世界を楽しみましょう。

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