フランスワインのラベルを前に「どれを選んだらいいの?」と迷ったことはありませんか?
この記事を読めば、格付けの仕組みがわかり、ワインショップやレストランで自信を持って選べるようになります。
さらに、次に読むと理解が深まる関連記事もご紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてください。

社会人7年目のときに「田崎真也ワインサロン」でソムリエ対策講座を受講。
2002年 ソムリエ資格取得
2005年 シニアソムリエ資格取得
現在アカデミー・デュ・ヴァンの受講生。知識をブラッシュアップしつつ、ワインを学びたい人向けにこのサイトを運営。
AOCとは?ラベルで失敗しないための基礎知識
「格付け」とは、ワインの品質や価値をランクで分けたものです。
たとえば、「このワインは昔から高く評価されていて、安定した美味しさがある」というように、品質をわかりやすく伝えるために使われます。
格付けがあると、知らないワインでも「このワインは安心して買える」と判断する材料になります。
ワインの産地

- フランスワインのポイント
- ・北緯42~51度に10のワイン産地が分布している
・ワイン生産量は世界第3位(2021年現在)
・消費量はアメリカに次いで世界第2位(2021年現在)
生産量はイタリアと上位を争っていましたが、最近ではイタリアが1位、スペインがフランスを抜いて第2位となっています。
AOC、IGP、VSIGの違い
AOCについて

フランスのAOC(Appellation d’Origine Contrôlée)は、政府が定めた「原産地呼称制度(げんさんちこしょうせいど)」でフランスで最も歴史あるワイン保護制度の1つです。
AOC制度は1935年に制定され、フランスのワイン産地、ブドウ品種、ワインの製造方法などを規制するものです。
かつてはAOC、AOVDQS、Vin de Pay、Vin de Tableの4つのカテゴリーに分類されていましたが、
現在はAOC、IGP、VSIGの3つのカテゴリーに分類されています。
AOCは厳しい規制のもとワインが造られており、それだけ品質が高いものとも言えます。
フランスワインはAOCによって独自の風味や高い品質を保ってきました。
AOCはどんな規制があるのでしょうか?それは以下のような条件があります。
・生産地域
・品種
・最低アルコール度数
・栽培法
・剪定法
などです。
IGPとは
IGPは地理的表示保護という意味で、地域や使用品種の規制はありますが、AOCよりはルールは緩いです。
VSIGとは
VSIGはいわゆるテーブルワインで「フランスのどこかで作っているワイン」です。
AOCの知識を活かして選びたいなら、次にボルドーの格付けを見てみましょう。
ボルドーの格付け|“格上ワイン”を見抜く方法

1855年の格付け
ボルドーでは1855年に、「パリ万博」に合わせてワインのランク分けが行われました。
これが今も続いていて、世界中のワインファンが注目しています。
五大シャトー(ごだいしゃとー)とは?
この格付けで「第一級(プルミエ・クリュ)」とされた、特に有名な5つのワイナリーがあります。これが「五大シャトー」です。
- シャトー・マルゴー
- シャトー・ラトゥール
- シャトー・ラフィット・ロートシルト
- シャトー・ムートン・ロートシルト
- シャトー・オー・ブリオン
この5つのワインは、品質・価格ともにトップクラス。「一度は飲んでみたい憧れのワイン」と言われています。
2級〜5級もある
このほかにも、2級から5級まで、全部で60以上のシャトーが格付けされています。
ブルゴーニュの格付け|初心者でも理解できるシンプルな4段階
ブルゴーニュの特徴
ブルゴーニュでは、「シャトー(ワイナリー)」ではなく、「畑」ごとにランクがつけられています。
- 畑単位で「グラン・クリュ」「プルミエ・クリュ」などに分かれる。
- 例:ロマネ・コンティ(グラン・クリュ)
これがとてもユニークです。
4つのランク
- グラン・クリュ(特級畑)…全体の約1%
- プルミエ・クリュ(1級畑)…約10%
- 村名ワイン…村の名前がラベルに書かれています
- 地方名ワイン…「ブルゴーニュ」など広い地域名
ブルゴーニュワインのラベルには、これらのランクや畑の名前がしっかり書かれているので、読み方を覚えると選びやすくなります。
シャンパーニュの格付け|村で決まる?
シャンパーニュでは、ブドウを作っている「村」がランク分けされています。
主なランク
- グラン・クリュ(特級村)
- プルミエ・クリュ(1級村)
- それ以外の村
これは「エシェル・デ・クリュ(村の格付け制度)」と呼ばれ、シャンパーニュ独自のものです。
ラベルの見方|格付けのヒントがいっぱい!

ワインのラベルに格付けの表示があれば、どんなワインかのヒントになります。
ボルドーの場合
- 「Grand Cru Classé(グラン・クリュ・クラッセ)」=格付けありの証
- 「Château(シャトー)」=ワイナリーの名前
ブルゴーニュの場合
- 「Premier Cru」や「Grand Cru」=畑のランク
- 「村名」や「畑名」もラベルに書かれている
シャンパーニュの場合
- 「Grand Cru」「Premier Cru」=村の格
- 「RM」や「NM」などの表記=生産者の種類
格付けでワインをもっと楽しもう

格付けを知ると、ワイン選びがぐっと楽しくなります。
初心者におすすめの活用ポイント
- グラン・クリュや五大シャトーは特別な日に
- プルミエ・クリュや村名ワインはちょっとした贅沢に
- IGPや地方名ワインは日常のテーブルワインに
「フランスワイン=難しい」ではなく、「知れば知るほど面白い」。
あなたもぜひ、格付けをヒントにお気に入りの1本を見つけてみてくださいね!
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