
こんにちは、ソムリエのいちごです。
「なんとなくオシャレだから」
そんな理由で、ワインを選ぶようになったのが、私のワインとの最初の出会いでした。
ジュースを飲むときとは違う美しいグラス、ラベルのデザイン、ちょっと背伸びした雰囲気。
特に深く考えずに「ワイン=大人でかっこいいもの」というイメージだけで楽しんでいた私が、
今ではソムリエの資格を取得しました。
どうしてそんなふうに気持ちが変化したのか。
今回は私のちょっとした心の揺れや変化を、正直に綴ってみたいと思います。


社会人7年目のときに「田崎真也ワインサロン」でソムリエ対策講座を受講。
2002年 ソムリエ資格取得
2005年 シニアソムリエ資格取得
現在アカデミー・デュ・ヴァンの受講生。知識をブラッシュアップしつつ、ワインを学びたい人向けにこのサイトを運営。
ワインとの出会いは“なんとなく”だった


ワインを最初に飲んだのは、たしか友達との女子会。
お店の雰囲気も良くて、グラスに注がれた赤ワインがキャンドルの灯りでキラキラして見えたのを覚えています。
「これが大人ってやつかも」なんて思いながら、正直、味のことはほとんど覚えていません。
それまではお酒といえば梅酒のソーダ割りなどを飲んでいました。
ワインについては白か赤か、辛口か甘口か、ぐらいしか違いがわからない。
でも、それで十分楽しめていたし、恥ずかしいとも思っていなかったんです。
知識ゼロのまま飲んでいた日々
そんな感じで“雰囲気”だけで楽しんでいた私ですが、あるときちょっとしたモヤモヤを感じる瞬間がありました。
レストランでメニューを見ても、知らない単語ばかり。
「この中でおすすめはどれですか?」と聞いて、店員さんが丁寧に説明してくれても、よくわからずに「じゃあそれで」と選ぶしかない自分。
それから、ワイン好きの友人が産地やブドウの品種について話しているのを聞いたとき、
「わたし、全然わかってないな…」と、なんだか置いていかれたような気持ちになったこともありました。
変化のきっかけ:「知りたい」という感情


ある日、ワイン会に参加したときのこと。
プロのソムリエの方が、一本のワインを開けながら、産地の話やブドウの特徴、生産者の想いを語ってくれました。
その話があまりに面白くて、「すごい…!」と鳥肌が立ったのを覚えています。
ただ飲むだけでは味わえなかった奥行きや背景が、言葉によってどんどん広がっていったんです。
そのとき思ったのが「もっと知りたい」。
「ワインを楽しみたい」と思う気持ちは、ラベルのデザインや雰囲気から、
知識やストーリーの世界へと自然に広がっていきました。
スクールや資格を知り、通い始めた
社会人になって7年目、仕事にも慣れて「習い事でもしようかな」と考えていたとき
ワイン好きの同僚からワインの学校に通っていると聞きました。
でも、調べれば調べるほど迷うことも増えていきます。
「こんなに覚えることあるの?」「資格って難しそう…」
「そもそも私なんかが受けても大丈夫なのかな?」
しかも、スクールの受講料も安くないし、時間も必要。
でも気がついたときにはワインスクールの説明会に参加していました。
勉強を始めて見えた景色の変化


思い切って、ソムリエ受験対策講座に申し込みました。
基礎から丁寧に教えてくれるカリキュラムで、まずはブドウの品種や、産地の名前から。
最初はちんぷんかんぷんだったけれど、少しずつ「知ってる言葉」が増えていくと、楽しくなっていきました。
ワインスクールの友人達とレストランに行きお料理に合うワインをブラインドテイスティングで出してもらったりして勉強しました。
試飲したワインを「これはカベルネ・ソーヴィニヨンですね」と味がだんだんわかるようになって
小さな変化かもしれないけれど、確実に“ワインを楽しむ力”がついている実感がありました。
資格を取ることで得られた“自信”
ソムリエの資格を取ることは簡単ではありませんでした。
覚えることはたくさんあるし、仕事と両立しながらなので時間のやりくりも必要です。
半年近く休みの日は図書館でずっと勉強の日々。
でも、勉強を通して「自分で選んで、自分で深めている」という感覚が、すごく心地いい。
ワインに詳しくなって友達から「詳しいね」「おすすめある?」と言われたとき、素直に嬉しかったです。
何より自分がワインを飲んでいる時間が、より深く、豊かになったと感じています。
資格を取ることはゴールじゃなくて、「自分に自信を持てるようになる」ためのプロセス。
そう思えるようになった今、迷っていた頃の自分に「思い切って始めてよかったよ」と声をかけてあげたいです。
最後に:同じように悩むあなたへ


もし今あなたが「なんとなくワインを選んでるけど、もうちょっと知ってみたい」と思っているなら
それはすごく素敵な感覚です。
知識があるから偉いわけじゃないけど、知ることでワインはもっと楽しくなります。
選ぶ時間、飲む時間、語る時間、どれも深くなる。
ワインの世界は広いけれど、だからこそ「どこから始めてもいい」世界です。
最初の一歩は、ほんの小さな「やってみよう」から。
きっとあなたもワインを通して「ちょっと誇らしい自分」に出会えるはずです。
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